えっ?! ○○ガメが飼えなくなる?!

特定外来生物による生態系等に係る被害の

防止に関する法律(外来生物法)について

 

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律案が、平成16年5月27日衆議院本会議で可決され成立し、6月2日に公布されました。これに伴い「特定外来生物」として指定された種類については、今後飼育、繁殖、輸入、故意に野外に放つ、販売等ができなくなります。

 

1.法律の背景

「生物多様性条約」・・・日本を含む180カ国以上が批准

目的・・・・「外来種の侵入の予防」,「初期段階の発見と予防」,「定着した外来種の駆除・管理」
 これに対応する国内法→「外来生物法」が成立

 

今後,政令や省令を整備し,「特定外来生物」「未判定外来生物」を決定し,来年6月までに施行される予定です(詳しくは会場内に掲示してある模式図等をご覧下さい).

現時点で,この政令によって定めるリストに掲載される種は未確定です.法律の条文を見る限り,ミシシッピアカミミガメのようにすでに問題となっている種の他,現時点では未定着だが潜在的には定着する恐れのある外国産の爬虫両生類も規制の対象となると思われます.

 
2.本法の目的

外来生物法では,

(1)「特定外来生物」の飼養は学術研究等で許可を受けた場合以外禁止

(2)学術研究等で飼養する場合は大臣の許可が必要

(3)許可を得ての飼養目的以外では輸入禁止

(4)許可を得ての飼養者間以外の譲渡や引き取りは禁止

(5)飼養している「特定外来生物」を許可基準を満たした施設の外で放つのは禁止となります.

また、「未判定外来生物」は,輸入が届け出制になり,輸入許可がでるかは個別に審査され,有害ではないとして許可を得るまでは輸入が制限されます.

3.罰則

    (1)「特定外来生物」を許可なく販売または頒布目的に飼養、頒布、輸入、野外に放った場合等  
       ・・・・3年以下の懲役ないし300万円以下の罰金

(2)     販売,頒布目的でなくとも「特定外来生物」を無許可で飼育,譲渡したりした場合や「未判定外来生物」を届け出せず,許可を得ずに輸入した場合等・・・・1年以下の懲役ないし100万円以下の罰金

(3)     これらを法人として行えば,

(1)については1億円以下,(2)については5000万円以下の罰金

(4)「特定外来生物」・「未判定外来生物」以外の生物でも,確認が容易にできるとして省令で除外された種以外は,生体の輸入に際して外国の政府機関発行のその生物の種類の証明書が必要であり,これに違反すれば50万円以下の罰金

4.飼育者に対する影響

具体的にどの種が対象となるかについては現時点では未定ですが,平成17年6月までに決定されます.「特定外来生物」としてはすでに国内外で悪影響が出ているとされる様々な爬虫両生類が含まれるでしょうし,「未判定外来生物」にも温帯種を中心に日本国内で屋外・飼育越冬が可能な多数の種が含められる可能性があります。もし,飼育している種が「特定外来生物」や「未判定外来生物」に指定されれば,外国産爬虫両生類の飼育者にとって大きな影響が考えられます.
 また、餌として利用しているヨーロッパイエコオロギ,ジャイアントミルワーム,シロワラジムシ,近年ペット・餌として輸入されている各種のゴキブリ等が「特定外来生物」に指定されれば,種自体が今回指定されなくても飼育の継続に大きな影響を受けるでしょう.

 

5.法の経過及び今後の予定
7月に規制対象種の選定や防除など被害防止の方針となる「特定外来生物被害防止基本方針(案)」が公表されました.この方針案へのパブリックコメントの募集(結果は公表済み)や中央環境審議会野生生物部会での検討・答申まで終了し,近々方針が決定されます.また,規制対象種を決める委員の選考も現在進んでおり,近日,上記の基本方針に従って「特定外来生物」及び「未判定外来生物」の選定が行われます(10月2日現在).

外来生物法では,ペットなど愛玩目的の飼育は禁止ですが,指定時点で既に飼っているペットは許可の対象になるとされています.ただし,認めるケースでも,逃げ出したり人間に危害を与えたりしない構造の施設で飼うことが条件で,飼育施設の定期点検やマイクロチップなどによる個体の識別措置を義務付けることになるようです.また、許可は1代限りで、繁殖等を行うことはできません.

 

くわしくは、環境省自然環境局の外来種(移入種)対策のホームページ

http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html)を参照願います.

 

以上 (協力)クリーパー社

 

ぶりくらでは来るべき外来生物の「輸入規制」に対応すべく,ペットとしての爬虫類・両生類については「国内繁殖個体」の普及を推進し、野生個体の搾取に依存することから脱却することを目指し活動して参りました.しかしながら,今回一部の種について,輸入,販売,飼育を事実上禁止する法律が成立しました.このため、今後の当イベントの運営はもちろん、飼育者によっては今後の飼育の継続に関わる影響を及ぼします.

 

ぶりくらでは「外来生物法」に対するご意見を募集しています.イベント当日、会場アンケートにてご意見をお寄せ頂ければ幸いです(後日アンケート内容をとりまとめ,「特定外来生物」等の選定のための参考資料として関係機関等に提出する予定です).

ぶりくら事務局